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クーはよく悪夢を見る。
“あの日のこと”が繰り返し夢の中でもフラッシュバックする。
それはいつも見る同じ夢なのにいつも現実のように感じられた。
針で皮膚を突かれているように、恐ろしくリアルに。
刑務所で抗精神薬を処方されても気休めにしかならない。
あの悪夢は自分の体の一部を乗っ取っているのだ。
川 ; -;)「う……うう」
冷たい汗びっしょりで泣きながら眼が覚める。
しばらくまだ肉体と精神の統一感が狂ったままで、自分が今どこにいるかすら
わからない。
ややあってからようやく、思い出したように深呼吸する。
川 ; -;)(あの子を……わたし、あの子を殺したんだ。自分の子を)
彼女は地面に倒れたまま、膝を抱いて縮こまっていた。
迷子になった子供みたいに泣きながら。
クーは禁断症状に苛まれて彼を殺したのではない。
その逆だ。
アッパー系のドラッグを摂取して三日近く眠れなくなっており、イライラと疲労が
極限に達していた日のことだった。
あの子が泣きだして、クーはその泣き声にどうしても耐えることが出来なかった。
川 ; -;)(な、何であんなこと……何で……わたしは、何であんなことを……)
体の中にただ、痛みと悲しみがあった。
心身をバラバラに引き千切ってしまいそうな、沈鬱な重さを伴う感情が。
それは自分の命を否定するには十分だった。
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