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クーはベルトに挟んでおいた拳銃を取り出した。
眼をぎゅっと閉じて銃口をこめかみに押し当てる。
川 ; -;)
生きられない。
自分の人生に対する無力感がどうやっても消せない。
どうしても生きられない。
ここから生還して一体どうするんだ?
何か……何か、希望らしいものがあるのか?
川 - )
息を思い切り吸って吐き出す。
体の中を空っぽにして呼吸を止めた。
ぶるぶる震える指を引き金にかける。
――――罪を償いたきゃ、――――
少しずつ少しずつ、指に力が加わる。
引き金がゆっくりと沈み込んでゆく。
死を目前にしてアドレナリンが過剰分泌され、五感は恐ろしいほどクリアだ。
皮膚を針で刺されるように、あらゆる感覚器官で鮮明に“現実”を感じる。
産毛に触れる空気の流れ。
皮膚から吹き出し伝い落ちる冷たい汗。
舌の上の絶望の味。
そして瞼越しに見える暁光。
――――罪を償いたいなら、―――――
川 - )(償いたいなら……?)
クーはホームレスが最後に何を言おうとしたのか考えた。
川 - )(きっとこう言おうとしたんだ、“償いたいなら……”)
結論が出そうになった時、指が引き金を引き切った。
撃鉄が銃尾を叩く。
川 ゚ -゚)
ガギッという軋むような音が頭の中でした。
正確にはこめかみに押し付けた銃口を通じて、銃の中で。
手応えのなさに拍子抜けし、もう一度指に力を込める。
だが引き金はそれ以上動くことはなかった。
川 ゚ -゚)「?」
しばらく身動きが出来ない。
もう自分は死んだのか?
地面の上に両膝を突いた姿勢のまま、クーは凍りついたように停止していた。
忘れていた呼吸を再開する。
銃を下ろして見てみると、遊底が中途半端にスライドしたままになっている。
川 ゚ -゚)(弾が詰まったのか……)
どうも薬莢が排出されずに機関部が機能不全を起こしたらしい。
分解すれば何とかなりそうだが、そんな技術はクーにはない。
それにもうどうでも良くなってしまっていた。
銃を投げ捨てる。