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低いエンジンの唸り声。
石油製品に満ちた、車内の無機質な臭い。
クーは夕暮れの街を走っていた。
川;゚ -゚)「クソ……」
鼻と口元から血が流れ、片方の瞼が鬱血して腫れ上がっている。
体中が鈍く痛んだ。
ツイてない日だった。
本当に何もかもツイてない。
取引で下手を打ったのだ。
捜査が自分の身に及ぼうとしていることに感づいたクーは、在庫の違法薬物を
すべて売り払うことにした。
中毒者特有のイライラに苛まれた彼女は焦り、手っ取り早くカネに変えようとして、
その結果ドジを踏む。
川;゚ -゚)(あの女、潜入捜査官だったのか!! 畜生……!!)
人気のない夜の公園で薬物とカネを交換しようとしたところに、刑事たちが
雪崩れ込んできた。
動物的なカンでそれに気付いたクーは大暴れし、何とかその場での逮捕は
免れたものの……
バックミラーに眼をやる。
拡声器を通したがなり声がクーの尻に噛み付いてきた。
(,,゚Д゚)「いい加減停まれゴルァ!! 逃げられねえぞ!!」
サイレンをつけた普通のパトカーやら覆面パトカーが後を追ってくる。
一方通行を逆走し、狭い路地を繰り返し抜けるが、どうしても振り切れない。
川#゚ -゚)(畜生、畜生、畜生ォォ!!)
逮捕されればこれで二度目だ。
執行猶予は付かず、罪は一度目よりもはるかに重くなる。
絶望的になった彼女はアクセルを踏み込み、郊外に続く道をひた走った。
ナビコンには行く手に小さな広場が表示されている。
川 ゚ -゚)(あそこを突っ切って行けば何台かは巻けるかも……)
ほとんど正常な判断が出来なくなっていたクーにとって、そのアイデアは
とてもいいもののように思えた。
迷わずハンドルを切って広場に突っ込む。
ライトを点けていたとしても恐らく次に起きたことは防げなかっただろう。
突然フロントミラーいっぱいに人影が映った。
(*゚-゚)「!!!」
川 ゚ -゚)「!?」
広場の真ん中で一人、女の子が佇んでいる。
避けるにしてもブレーキを踏み込むにしても、もはやすべてが手遅れだった。
砂袋をぶつけられたような重たく、柔らかい衝撃が車を駆け抜ける。
少女の体はぶつかった衝撃で跳ね上がって車のフロントに乗り上げた。
川;゚ -゚)「う、うわっ!!」
クーは思い出したようにブレーキを踏んだ。
車は広場の砂地の上で横滑りしながら停止する。
フロントガラスは凹んでひび割れ、真新しい血痕が付着していた。
川 ゚ -゚)「……」
頭の中が真っ白になるってヤツだ。
脳味噌を頭の中から引きずりだされたみたいに何も考えることが出来ない。
ドアを開け、クーはふらふらと外に出た。
(* - )
血まみれになった女の子が倒れている。
折れた手足がぐにゃぐにゃに曲がっていて、ゴムの人形みたいに。
クーはがっくりとその場にひざまずいた。
川 - )(わ、わたし……わたしは……)
引き連れてきたパトカーが止まり、刑事たちが下りてくる。