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体同士がぶつかり合い、地面にもつれて倒れる音がした。
クーが屋根の上から飛び降りると、ホームレスが男の上に圧し掛かって
いるところだった。
(;゚∋゚)「この野郎、どけ!」
('A`;)「ぐ……うぐ」
川;゚ -゚)(ダメだ、おっさんと近すぎる)
銃は使えない。
クーは二人に走り寄ると、男の顔面にマシンガンの銃床を思い切り叩き込んだ。
軟骨が砕けるボギョッという鈍い音。
体に満ちるありったけの凶暴性を腕に込め、クーはひたすら殴りまくった。
川 ゚ -゚)「うわあああああ!!」
十回以下だったような気もするし、百回くらいその行動を続けた気もする。
男の顔面はすでに人間の形状を留めておらず、弾けた肉の塊になっていた。
( ∋ )
男の体は激しく痙攣するばかりで、意思を持った動きをしない。
殺してしまったのだろうか。
自分の中に満ち満ちていた恐ろしい力に呆然とする。
体に誰かが乗り移っていたみたいだ。
('A`)「う……」
川 ゚ -゚)「おっさん!」
彼のうめき声に我に帰る。
クーはホームレスを抱き起こした。
胴体にぬるりとした感触があり、ぎょっとして手を見る。
血だ。
胸が真っ赤になっている。
('A`;)「ツイてねえ……ぐ」
川 ; -;)「おっさん……」
('A`)「う、上着の……内ポケットに……」
ホームレスの言葉は血と共に吐き出された。
川 ゚ -゚)「?」
('A`)「持ってけ……じ、GPSと一緒に……伐採場……行……
俺の仲間が拾ってくれ、る、から……」
彼の内側のポケットにはモバイル式の小型パソコンと携帯型GPSが入っていた。
( A )「なくさねえでくれよ、それ……お、俺がここ一年調べた……
ゲームの、詳細が……」
川 ; -;)「おっさん!!」
( A )「……つ、罪を償いたきゃ……罪を償いたいなら、……」
川 ; -;)
( A )「……」
亡骸を寝かせ、クーは涙を手の甲で拭った。
男の死体から服と靴を引き剥がして身につける。
GPSのスイッチを入れ、広域マップを表示すると、すぐ近くの場所に話通り
伐採場らしきものがあった。
川 ゚ -゚)(ここのことか?)
車に向かう。
喪失感、疲労、理不尽な運命に対する怒りなどが頭の中でゴチャゴチャに
なっている。
川 ゚ -゚)「う……」
足がもつれて一度その場に倒れた。
立ち上がろうとした時、クーはその音を改めて知覚した。
このゲームが始まった時から……いや、あの日あの事が起きた瞬間から
ずっと聞き続けていた音。
川 - )(耳鳴りだ……)
体を預けている地面がはるか遠くに感じられた。
何とか意識をはっきりさせようとするが、自我がバラバラになりかけている。
かろうじてわかるのは、これがフラッシュバックの始まりということだ。
それもかつてない強烈な鮮明さで。
川; - )(早くこの場を離れないとあいつらの仲間が……来る……)
意識が分裂を始めた。
頭の中が粉々に砕け散り、すべてが白濁によって満たされる。