[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
麓の駅までやってくると、クーはそこで降ろされた。
ホームレスはツンのカバンを勝手に開けた。
ξ ゚⊿゚)ξ「ちょっと、ちょっと!!」
('A`)「工作費用があるだろ。これか」
封筒に入った札束を取り出し、クーに押し付ける。
川 ゚ -゚)「えっ……こんなに? いいの?」
ξ;゚⊿゚)ξ「ちょっとドクオさん!! それは……」
('A`)「カタイ事言うな。俺の命の恩人だぞ」
ξ#゚⊿゚)ξ「もう、後で金策に走り回るのはわたしなんですよ!?」
ホームレスはクーに笑って見せた。
('∀`)「ゲームクリアの報酬さ。持って行きな」
川 ゚ -゚)「何から何までありがとう」
('A`)「礼を言うのはこっちの方さ。あんたのおかげで色々助かったぜ」
ξ ゚⊿゚)ξ「すべて他言無用でお願いしますよ。
わたしたちとは会わなかったことにして下さい。
もしも秘密が守られなかった場合、あなたの身の安全について
保障は……」
('A`#)「相変わらず無粋な女だなお前は!」
クーが頭を下げるとホームレスはやめてくれって感じで手を振った。
('A`)「夢あるか、お前?」
川 ゚ -゚)「え?」
('A`)「ガキの頃の夢を思い出せ。夢だけが人生を変えられる。じゃあな」
川 ゚ -゚)「……」
切符を買って駅の構内に入る。
すぐに始発が入ってきた。
ガラガラの車内に乗り込み、椅子に座る。
体がふわふわして変な感じだ。
まるで今見ているのと同じ、車窓から流れゆく光景をずっと見ていただけの
ような気がした。
すべては過ぎ去る幻のように。
川 ゚ -゚)(夢か……)
ホームレスの言葉を思い出す。
川 ゚ -゚)(夢だけが人生を変えられる)
荒んだ家庭環境で育ったクーだったが、唯一夢を持ったことがある。
かわいがっていた野良犬が車に轢かれた時のことだ。
家に連れて帰っても両親は怒鳴るばかりで、治療費を出してくれそうにない。
泣きながら血まみれの犬を抱えて近所の動物病院に行くと、そこの獣医が
幼いクーに同情し、タダで治療してくれた。
そうだ、自分はあの日からずっと獣医になりたかったんだ。
何故忘れていたんだろう?
川;゚ -゚)(でもわたしは世間的には死んだことになってるんだよな。
それってつまり戸籍が存在しないのも同然だから……ええと……)
すぐにそのマイナスの考えを振り払う。
やっぱりこの夢だけは捨てちゃいけない気がする。
クーは自分の腹部に手を当てた。両手でそっと。
川 ; -;)(ごめんね。ごめんね……
わたしバカだけど、それでも生きて行きたいんだ)
電車は郊外から町に入った。
朝焼けを浴びてすべてが光って見える。
クーは窓の外のその光景に眩しげに眼を細めた。
川 ゚ -゚)
あのホームレスの言葉は正しい。
夢だけが人生を変えられる。
おしまい
[エンディングA]
後書き→66へ