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ホームレスはポケットから携帯型のGPSを取り出した。
('A`;)「チクショー、麓までまだ大分あるな」
走行しながらすさまじい銃火が交錯するが、お互いなかなか搭乗している
人間を狙い撃ちにできない。
どちらも動き回っている状態で狙いがつけにくいのだ。
それでも三人いてうちの二人が銃を持っている向こうに比べれば、こちらは
あまりにも不利だった。
川;゚ -゚)「エンジンが何か変だ。壊れたかも」
(゚A゚;)「マジかよ!! ……くそ、弾がなくなりやがった、最高だぜまったく!」
そこら中に弾丸を浴びて、こっちの車のフロントからおかしな煙が上がっている。
停止するのは時間の問題に思えた。
絶望と焦燥が足元から這い上がってくる。
どうする……どうする?!
川 ゚ -゚)「車を捨てて森の中に逃げた方が良くないか?」
('A`)「徒歩で逃げ切れるわけねえよ」
川#゚ -゚)「じゃあどうするんだよ?!」
('A`)「……ん、ちょっと待った」
無用の長物になったマシンガンを放り出して、GPSを見ていたホームレスが
声を上げた。
('A`)「この先はずっと下り坂だ。そいでもって……」
川 ゚ -゚)「?」
('A`)「相手に車体を押しつけて加速出来るか?
この先で分かれ道になってるから、相手を左に曲がらせるな」
川 ゚ -゚)「何があるんだ?」
('A`)「俺を信じろって。合図したらブレーキを死ぬ気で踏み込め」
言った通り道路は下り坂にさしかかった。
ハンドルを切ってワゴンの横っ腹に体当たりをかける。
_
(;゚∀゚)「うおっ?!」
(’e’)「!?」
衝撃にワゴンの中で銃を構えていた男がバランスを崩し、引っくり返る。
クーは思い切りアクセルを踏み込んだ。
エンジンが断末魔の咆哮を上げて車体を加速させる。
川 ゚ -゚)(見えてきた、あれか?!)
「立入禁止」の立て看板を突き破り、二台でくっついたままY字路を左に入る。
ワゴン内で転がっていた男二人が体勢を立て直し、銃口をこっちに向けるのが
はっきり見えた。
ドライブバイ
いかに走行射撃でもこの距離では外しようがない。
(’e’)
マシンガンのストックを肩付けして狙いをつけ、用心金に指を入れる。
引き金に指がかかった。
こちらを睨んでいる銃口から発せられる殺気が膨れ上がる。
クーは自分の体中に点々と、撃たれるであろう場所を強く意識した。
戦慄が走るってヤツだ。
川 ゚ -゚)(撃たれ……)
頭の中が真っ白になろうとした時、その空白をホームレスの声がぶち破った。
('A`)「今だ!!」
クーは反射的にブレーキを踏み込んだ。
アスファルトがタイヤを削り取り、悲鳴じみた甲高い音が響く。
ワゴンはすっぽ抜ける形で道の先へ消えて行った。
すぐにものすごい力に金属が押し潰され、へし折られる音がした。
川 ゚ -゚)「……」
乗用車のライトがワゴンの末路を浮かび上がらせている。
車体が半分潰れ、浅い川に頭から突っ込んでいた。
運転席に乗っていた男はシートベルトをしていなかったらしく、フロントガラスを
突き破って外へ飛び出していた。
他の二人に至っては見るまでもない。
窓越しに飛び散った血が見えた。
('A`)「橋がまだ出来てねえんだ、ここ。来る時に知ったんだけどな」
全身に張りつめていた緊張感が糸のようにぶつりと切れた。
クーはハンドルに倒れ込み、長い長い溜息をついた。
川 ゚ -゚)(助かったのか……)
('A`)「大丈夫か?」
川 ゚ -゚)「ああ。何とか」
('A`)「別の奴が来ないとも限らん。行こう」
クーは死にかけのエンジンに点火しようとしたが、ゼイゼイと苦しげに
喘ぐばかりで動かない。
とうとう壊れたらしい。
川;゚ -゚)「ダメだ、動かない」
('A`;)「しょうがない、仲間に迎えに来てもらおう。とにかくここを離れないと」
車を降り、二人は歩き始めた。
というかホームレスを担いでクーが歩く形だ。
川 ゚ -゚)(仲間……? どっかの組織の人なのかな。
この人は一体なんなんだろう?
あの男たちとか、ゲームの正体は……?)
今なら聞いても答えてくれそうな気がする。