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 一歩足を踏み出すごとに全身の関節という関節がひどく傷む。

何度も転び、時には這いずりながらも、クーはひたすら前進した。

男たちが後を追ってくるかも知れないという恐怖だけが体を突き動かしている。


川  - )「う……」


 やがて限界が訪れた。

地面に膝を突くと、もはや立ち上がるだけの気力はなく、その場に倒れる。


川 ゚ -゚)(あのホームレス、どうなったかな)


頭がぼんやりして考えが積み重ならない。

ひどく喉が乾いた。もう何時間も何も口にしていない。

 何とか立ち上がろうと手を地面に突くが、どうしても体が持ち上がらない。

まるで体に鉛が詰まっているみたいだ。


川 ゚ -゚)(行かなきゃ。ここにいたらまずい……何とかして、森を出て……)


かすかに地面に振動が感じられた。

地に伏しているせいで敏感になっているのだ。

忍ばせた振動が規則的に続き、少しずつ大きく、近くなってくる。

足音だ。


川;゚ -゚)(まずい、追って来やがった)


木の幹を掴んで何とか体を垂直にし、鉛の塊と化した体を死に物狂いで

前に進めようとする。

でもどうしても上手く行かなかった。

あらゆる行動を拒否する肉体の倦怠感から逃げ切れない。

足音が近づいてくる。

どんどん、どんどん近付いてきて、そして背後から男の手がクーを捕まえた。


('A`)「おい、俺だ。大丈夫か?」

川 ゚ -゚)「……!!」


 心臓が止まるかと思った。

いや、一瞬停止したとすら感じる。

忘れていた呼吸を再開し、ゆっくりと息を吐き出して、そしてクーはその場に

座り込んだ。


川 ゚ -゚)「驚かすなよ」

('A`)「済まねえな、ちょいと手間取ってよ。立てるか?」

川 ゚ -゚)「少し休ませて」

('A`)「ダメだ。ここにいたらまずい」


ホームレスの手を借りて立ち上がる。


('A`)「おっと、その前に銃と着てるもんを捨ててけ」

川 ゚ -゚)「え?!」

('A`)「これさ」


ホームレスは携帯型のGPSのようなものを見せた。


('A`)「お前のどこかに発信機がついてんだよ。

    敵の一人から奪ったんだけどな、これ。

    まあおかげですぐに見つかったけどな」

川;゚ -゚)「裸で行けって言うのか!?」

('A`)「そう来るだろうと思って持って来たよ」


 担いでいた衣服を地面に下ろす。

あの男たちのいずれかが着てたものだろう。


川 ゚ -゚)「これ死体からはぎ取ったの?」

('A`)「文句言うな。急げよ、下着も靴も全部だぞ」

川 ゚ -゚)「あっち行っててよ」

('A`#)「はいはい。まったく女って奴はよ!」


彼が周囲を警戒している間、クーは急いで着替えた。

それが終わると彼に肩を借りて歩き出す。

 しばらくしてから聞いてみた。


川 ゚ -゚)「あいつら追って来ない?」

('A`)「もう夜……明け……さすが……あいつら、諦……る……」


クーは変に思った。

何故この男はこんなに遠くで喋っているんだ?


('A`)「とりあえ……国道に出……、それから……拾……」


違う。

彼が遠退いているのではなく、自分が遠ざかっているんだ。

どこか果てしなく遠い場所へ。


('A`)「おい……?!」

川  - )


クーは空白の中へ落ちて行った。

ホームレスの声がとうとう聞こえなくなると、また耳鳴りがした。

 

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