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クーはドアと壁との僅かな隙間にバールを突っ込むと、背筋と体重をかけて
思い切り引いた。
川#゚ -゚)「ふんっ……!!」
金属が歪むメキメキという音がして、やがてドアにロックをかけているバーが
へし折れた。
ばきん!!
川 ゚ -゚)(よし)
女は飽きもせずこっちを追って来る。
クーはドアを開けて屋内に飛び込んだ。
すぐそばにあった子供用プールに駆け込み、淵に伏せて身を隠す。
(゚q 。川「……」
足音がする。
こっちに来る。
川 - )(来るな……来るな……畜生、来るな……!)
(゚q 。川「あ゛ー?」
すぐ真上で女のうめき声と戸惑うような足音のリズム。
自分はそこから1mも離れていない場所で震えながら縮こまっている。
女はしばらくふらふらしていたが、やがて足音は遠退いて行った。
さっきクーが壊したドアをくぐる音がして、それからようやく何の物音も
しなくなった。
川 ゚ -゚)(行ったかな?)
しばらく体が強張って動かなかった。
ずいぶん経ってからようやく金縛りが解けたみたいに動き出し、膝を突いて
上半身を起こす。
川;゚ o゚)「う、げえっ」
すぐに胃液が逆流してきた。
床にぶちまけて激しく咳き込む。
川 ; -;)(そりゃ、私は善人じゃなかったよ。悪いこといっぱいした。
でも何だってこんな目に遭うんだ!? これが罰だって言うのか)
色んな思いがぐるぐる回って目まいがする。
気分がマシになって立ち上がれるようになるまで、また少し時間がかかった。
改めて屋内を見渡す。
川 ゚ -゚)(広いな。バブルの遺産か……)
流れるプールは屋内外で繋がっている。
敷地の上で大きな環状になっているわけだ。
ただし内外の繋ぎ目の部分には金網のシャッターが下りていて、潜れそうにない。
流れるプールの輪の内側に、このウォーターパークのシンボルらしいイルカに
似たキャラクターの巨大オブジェがあった。
ここも屋外と同じく照明は僅かで、切れかけた電球から頼りない明かりが
こぼれ落ちている。
その下にいくつか人影があった。
誰一人として口を利く者はおらず、陽炎のようにゆらゆら体を揺すっている。
川;゚ -゚)(あれが“モンスター”ってわけか。うようよいるな……
ん、案内板がある)
すぐそばの壁に地図入りの案内板がかかっている。
薄汚れているが、後から書き足したらしいマジックの線が走っていた。
川 ゚ -゚)(東側の女子トイレに『銃』って書いてある。
パークの正面入り口に『ゴール』……ここへ行けばクリアか)
ご親切なことだ。
クーは女子トイレに向かった。