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チカチカと明滅を繰り返す切れかけた明かりを頼りに、クーは慎重にあたりを
見回した。
心もとない光だが妙にまぶしく感じて目を細める。
光を見ること自体久し振りに感じた。
川 ゚ -゚)(小屋があるな。行ってみよう)
橋を渡って流れるプールを越え、クーはその小屋に近づいてみた。
浮き輪やビニールのボートを貸し出す店で、商売道具がいくらか放置されている。
ドアに鍵はなく、押すと軋んだ音を立てて開いた。
川 ゚ -゚)(武器になるものがあればいいんだけど)
色んな場所を調べると、床に鉄の箱が見つかった。
蓋を開けると中にはバールが入っている。
災害時に歪んで開かなくなったドアとかを破るのに使うやつだ。
少し錆びているがまだ十分に使える。
手に取ろうとしたその時、ひたりと足音がした。
ぎょっとして顔を上げ、開けっ放しのドアから外を見る。
誰もいない。
川 ゚ -゚)「……」
物音は途絶え、風だけがごうごうと餓えた獣のように吠えている。
心臓が早鐘のようになり、喉から水気があっという間に消え失せた。
バールを両手で抱えて思わずカウンターへ後ずさる。
川;゚ -゚)「何だ……? 気のせいか?」
カウンターの窓ガラスを突き破り、いきなり背後から手が伸びてきた。
背後からクーの体に巻き付く。
川;゚ -゚)「うわっ!?」
(゚q 。川「あ゛ー」
節くれだった細い腕にも関わらずとんでもない怪力だ。
かろうじて首を絞められるのだけは免れたが、振りほどくことができない。
川;゚ -゚)「離せ、くそお!」
思わず背中越しにバールの先端で突きを入れる。
ぐすっ、という肉を貫く湿った音がした。
いまだかつてない感触に一瞬胃がでんぐり返る。
(゚q 。川「あ゛ー……」
自分の体越しにかろうじて見えるその女は、右の眼窩にバールを突っ込まれた
にも関わらず、絞り出すようなうめき声をあげたまま彼女を離そうとしない。
川;゚ -゚)「な、何だこいつ?!」
潰れた眼球がこぼれ落ち、透明な水晶体が溢れ出している。
クーは死に物狂いでバールを捻り上げた。
女は突っ込まれたバールに沿って無理やり横を向かされた形になり、腕の力が
僅かに緩む。
川;゚ -゚)「ぐっ」
何とか絡んだ腕をほどいて逃れる。
女はカウンターから室内へ落ちると、そのままクーの方へ這って来た。
顔面から潰れた眼球をぶら下げたまま。
(゚q 。川「あ゛あ゛うー」
川;゚ -゚)「うわあああ!!」
恐怖に心臓を鷲掴みにされ、転がるようにして小屋を飛び出す。
*バール入手