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地面に伏せって絶望に喘いでいるクーの視界に、不意に陰りが差した。
すでに夜は明けて降り注いでいる陽光が、何者かによって遮られたのだ。
瞼を持ち上げると目の前に誰かの靴があった。
ちょっと高そうな、女もののローヒールだ。
('、`*川「ゲームクリアおめでとうございます」
仮釈放委員会の女がいた。
川 ゚ -゚)「……」
('、`*川「これであなたは晴れて自由の身です。
これをどうぞ」
女は大判の封筒をクーに差し出した。
('、`*川「あなたの新しい戸籍と運転免許証、クレジットカードです。
前にも言った通り、あなたは表向きは死んだことになっているんです。
この書類の人物がこれからのあなたです。よろしいですか?」
川 ゚ -゚)「……」
('、`*川「それからこれは特別な報酬です」
別の封筒を取り出した。
札束が入っているらしく、膨れ上がっている。
('、`*川「“実験体”を始末してくれた礼だそうです。
どういうことなのかわたしにはわかりませんが」
川 ゚ -゚)「お前、知ってたのか……?」
('、`*川「?」
川 ゚ -゚)「ゲームのことだよ。何も知らないって言ったじゃないか」
('、`*川「どこで何が行われていたのかは知りませんよ。
ただわたしは迎えに行けと言われただけで」
相変わらず機械みたいに冷徹な態度だ。
氷のような鉄面皮には無表情が張り付いている。
('、`*川「乗って下さい。どこまで送りますか?」
川 ゚ -゚)「……」
('、`*川「ずっとここにいるわけにはいかないんですよ」
川 ゚ -゚)「……」
こっちが無反応なのを見ると女は溜め息をついた。
地面に封筒を置き、車に乗ってその場を去る。
後に残されたクーは封筒をじっと見下ろした。
必死に考える。
自分の人生でこの先、何かやらなければならないことがあるのか?
色々考えに考えて、そして結論が出た。
川 ゚ -゚)(そうだ……知らせなきゃ、あの子に)
少なくともしなくてはいけないことが一つだけある。
封筒を持って立ち上がると、クーはその場を離れた。
果てしない道路を歩き始める。