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 クーはワゴン車の方に飛び付いた。

ドアは開いたままで、助手席にボストンバッグが置いてあるのが見えた。

車内灯をつけてその中を漁る。


川;゚ -゚)(くそっ、何だよこれ!? 紙切ればっかりじゃないか!)


何かの書類やクリップボードなどばかりで武器になるものは入っていない。

 後部座席を振り返ると、何かベルトのようなものが置いてあった。

ベルトと言うより上半身に巻きつけるハーネスのようなもので、金属の

ボールのようなものがいくつかくっついている。


川 ゚ -゚)(これは? ……手榴弾か?)


手に取ろうとした時、何かがぶち破られる音がした。


(<●>q 。)「ああああああ―――!!!!」


雄叫びが夜空にこだまし、怪物がパークから飛び出して来た。

すぐさまこちらを見つけて走って来る。

クーは急いで考えをまとめた。


川;゚ -゚)(ダメだ! こんなもの投げ付けても相手に当たると思えない)


幸い車のキーは刺さったままだ。

どうするか一瞬戸惑い、そして判断を下した。

逃げるしかない。

運転席に移ってキーを回す。


川;゚ -゚)「動いてくれ、畜生!!」


数度回転させるとエンジンがかかった。

アクセルを踏み込んでその場から急発進する。


(<●>q 。)「ああああああ」


 もちろん怪物は追って来た。

駐車場から道路に入って数メートルも走るとすぐに行き止まりにぶつかった。

フェンスの大扉で封鎖されており、木の板とチェーンで固定してある。


川;゚ -゚)「うわあああ!!」


思わずハンドルを握ったまま顔を伏せる。

衝撃が車の鼻っ面から尻まで駆け抜け、車体が一瞬浮いたように感じた。

チェーンが切れるバチンという音、板が割れるバキッという音、そしてフェンスの

扉を強引に体当たりで開ける音が同時にする。

 封鎖を突破し、ワゴンはなおも走り続ける。


川 ゚ -゚)「?!」


バックミラーに怪物の姿が映っていない。

 不可解に思った瞬間、再び衝撃が走った。

今度は車の正面から後ろにではなく、車上から真下へと。

ルーフを見上げると重みにへこんでいる。


川;゚ -゚)(上か!?)


ハンドルが重くなり、車体が地面に押し付けられるような感じがする。


(<●>q 。)「ああ!」


車の天井が紙のように破けて怪物の指が飛び出してきた。

四本とも鋭利な爪だけで出来ていて、ほとんど槍のようだ。


川;゚ -゚)「うわっ」


身を縮こませて爪をやり過ごす。

怪物はめくらめっぽうムチャクチャに爪で天井に穴を開け始めた。

クーはハンドルを切って振り落とそうとするが、どうしても離れようとしない。

 


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