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しばらく自分がどこにいて何をしているのかわからなかった。
凍えるように寒い。体中を伝う汗が冷たかった。
川;゚ -゚)(……みんなフラッシュバックだ、落ち着け……落ち着け……)
フラッシュバック。
中毒者が麻薬を使用していない状態にも関わらず、使用したかのような
感覚に陥ることを言う。
特にLSDなどの幻覚剤の使用者に頻繁に起こる。
根治する方法は今のところ存在しないと言われている。
化学合成物によって脳に刻みつけられた後遺症なのだ。
川 ゚ -゚)(そうだ、わたしはあの“取引”を受け入れたんだ。
そうするしかなかった……)
そしてこれがその実験とやらだ。
一体誰が何の為にこんなことを? 何を調べているんだ?
この実験が仮に成功したとして、何が成るというのだろう。
川 ゚ -゚)(深呼吸して、リラックスするんだ。一時的なモンだ)
どうやら自分は四つん這いになって地面を見つめているらしかった。
顔を伝った汗が落ちて染みを作っている。
体勢を変えて地面に座り込むとゆっくり呼吸を繰り返し、冷え切った両腕をさする。
しばらくするとようやく体に熱が戻ってきた。
川 ゚ -゚)(こんな時に……)
まだ少しフラつくが立ち上がれないことはない。
流れるプールの底を伝ってクーは再び歩き始めた。
川;゚ -゚)(考えるのは後だ。全部後だ……とにかくここを出よう。
全部それからにしよう)
頭にしつこく絡み付く不安、あるいは絶望を振り払う。
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