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ポケットの中で二つの鍵がぶつかりあってカチャカチャ鳴っている。
これで提示された条件は果たした。
川 ゚ -゚)(パークの正面入口に行こう)
改めて案内板に戻り、安全なルートを模索する。
流れるプールに入って暗がりに沿って行くのが一番安全そうだ。
溝の中に降りてクーは歩き出した。
途中、ウォータースライダーの真下に差し掛かった。
頭上で色取り取りのパイプが交錯し、それを金属の支柱が支えている。
川 ゚ -゚)(うわっ)
真上からパラパラと剥がれたペンキの破片が落ちてきた。
老朽化しているらしく、ギシギシと不安げな音がかすかに聞こえた。
少しの衝撃で丸ごと倒壊してしまいそうだ。
早足にそこを駆け抜ける。
川 ゚ -゚)「……」
突然、疲労感が体の芯に押し寄せてきた。
あまりにも現実離れした光景を見過ぎて精神が擦り減ったのだろう。
しばらく壁にもたれて息を整える。
川 - )(な、何だろう……体が……?!)
視界が歪んでいる。
立ち止まっているのに風景が遠退いたり近寄ったりして、遠近感が狂って見えた。
意識が白く煮えるような感じ。
溺れかけた時みたいに、すさまじい耳鳴りがする。
川;゚ -゚)(また耳鳴りだ……うう)
今度は最初の時よりも激しい。頭が割れそうなほどの耳鳴りが……
自分の頭の中でサイレンが鳴り響いているようだ。
クーはしゃがみ込んだ。
少なくとも自分は今、そうしたと感じた。
意識と体がバラバラになり、もはや心身の統一感がない。
頭の中身だけ別の乗物に乗っているような……
川 - )(フラッシュバックか! こんな時に……、こんな、時に、……)
肘の内側にある注射器の跡を撫でようとする。
でもクーは自分の指の在り処を見つけられなかった。
やがて体が沈んでゆく。
川 ; -;)(落ち着け、これはパラノイアだ!
ここは廃園になったんだぞ、水なんかあるわけない!)
しかしクーの体はどこまでも沈んで行った。