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モンスターすべてが鈍足というわけではなく、群れの数人はすぐにクーに
追いついた。
虚空に伸ばした腕をゆらゆら振りながらすぐ背後にまで迫る。
指先が彼女の襟首に伸びてきた。
川;゚ -゚)(まずい!)
あと少しで屋内プールへ続くドアだ。
そこへ飛び込もうとした瞬間、先頭のモンスターがタックルをかけてきた。
こちらの両足に抱き付くような形だ。
相手の腕に足を絡め取られ、クーは腹這いに倒れた。
川 ゚ -゚)「うっ」
硬いタイル張りの床にぶつかり、肺から空気が押し出される。
もがいて逃げようとしたが万力のような腕力に挟まれてどうしても抜け出せない。
川;゚ -゚)「クソッ、クソ!!」
両腕で這ってドアへ進もうとすると、抱きついているモンスターが腿に
噛み付いてきた。
燃えるような痛みが意識を焼く。
(゚q 。 ) ガジッ
川; - )「あぐっ」
そうしている間にも後続はすぐそこまで迫っている。
死の恐怖に心臓の温度が急激に下がってゆく。
体が内側から凍り付いてゆくような感覚。
川 ; -;)(嫌だ、こんなの嫌だ……)
他のモンスターがクーに覆い被さろうとした時だ。
天井のエアダクトの蓋が蹴り破られて床に落ちた。
何か大きなものがそこから這い出して来て、こっちを睨む。
片方だけ異様に大きい眼で。
(<●>q 。)「あ゛あ゛あ゛!!」
川 ゚ -゚)(あいつは!?)
おこぼれに預かりに来たのかと思った。
だが奴の目的はクーではないらしく、クーの周囲のモンスターだった。
一番間近な一人に飛びかかり、肩の肉に齧り付く。
(゚q 。川「あー!!」
(<●>q 。)グチュッ ジュルルル
すするような音を立てて噛み千切った血肉を喉へ送り込む。
喉が鳴り腹へと下って行くと、クーが与えた傷が煙を上げて物凄い勢いで
塞がって行く。
肉が盛り上がり、失われた部分が覆われて、すぐに他と見分けがつかなくなった。
川;゚ -゚)(食ってる……新陳代謝で傷を治してるんだ)
とにかく周囲のモンスターの関心はそっちに移り、足元にまとわりついている
奴の腕が緩んだ。
我に返ったクーはそこから抜け出し、足を引きずりながらドアに飛び付いた。
すさまじい悲鳴と肉が千切れる音に耳を塞いでそこから飛び出す。