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(<●>q 。)「あー」


 柱から離れた怪物はゆっくりこちらに歩いて来た。

その動きに対して回り込むようにしながら、常に柱を挟む位置を取る。


川 ゚ -゚)「どうした、そいつをぶっ壊せ!」


怪物は何かを警戒している。

まさか目論見がバレたのか?

焦って挑発を繰り返す。


川;゚ -゚)「突っ込んでこい、バカ! ほら、来いって!」


 足元に落ちていたペットボトルを相手に投げつける。

それが相手の顔面を捕らえた。


(<●>q 。)「あああああ―――!!!」


激昂の叫びを張り上げ、目の前の柱を片腕でなぎ倒す。

金属がひしゃげ、ボルトが千切れて跳ね跳んだ。

 崩落の知らせのようにまず最初に鉄材の一部が落ちてきた。

続いてそれを支えていたパイプも。


川;゚ -゚)「うわあああ!!」

(<●>q 。)「ああ―――!?」


ズン、と地響きがした。

降ってきた構造体の一部が怪物を覆い、押し潰す。


(<●>q 。)グチュッ


芋虫を踏み付けた時みたいに体液が飛び散った。

地面に大きく赤黒い染みが出来る。


川 ゚ -゚)「やった……!」


崩壊は一端停止したがすぐにまた始まりそうだ。

腰から下を完全に潰されて尚、怪物は生きていた。

上半身だけでもがきながら何とかクーを捕らえようと手で虚空を掻いている。


(<●>q 。)「ああ――……」


怪物の巨大な瞳に映ったクーは立ち上がり、そして遠退いた。

暗く濁った瞳の中へ溶けるようにして消えてゆく。

 スライダーの残りの崩壊が始まった。

老朽化し錆びたあらゆる接続部が引き千切れ、金属が唸りを上げて地上へ

落ちてゆく。

一押しした積み木の塔のように。


(<●>q 。)


どうすることもできないままの怪物に瓦礫の豪雨が降り注ぐ。

クーは怪物の断末魔を聞いた気がした。


川 ゚ -゚)(あいつも元は人間だったのか……?)


 一瞬だけ感じた同情、あるいは哀れみのような感情も、轟音にかき消されて

すぐに消えた。

 とにかく走った。

脇目もふらずに出口目指して、一目散に。

ロビーを出、出入り口から飛び出し、そして駐車場まで来てようやく立ち止まる。

心臓が爆発しそうなくらい鼓動していた。


川;゚ -゚)「ぜえ、ぜえ……」


空気を貪りながら、パークを振り返る。

これでゲームクリアか?

 クーはその場にへたり込んでしまった。


川   - )(また耳鳴りだ……)


極限状態が長く続いたせいか、耳鳴りがする。

いや、そうじゃない。

これの耳鳴りはこのゲームが始まった時から……

いいや、もっと前からずっとしていた気がする。

そう、ずっとずっと前から。

あの日からだ。

“そのこと”を思い出した瞬間、瞼の裏で火花が弾けた。


川  - )(まただ……フラッシュバックが……!?)

 


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