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 流れるプールの溝に飛び込み、オブジェを目指して一目散に走る。

すぐに背後でシャッターを引き千切る音がした。

スチール製なのにまるで紙テープみたいな扱いだ。


(<●>q 。)「あ――!!」


 騒ぎに集まってくる他のモンスターたちを蹴散らしながら、怪物はまっすぐに

こっちを追って来た。

他の連中には目もくれない。どうあってもクーが食いたいらしい。

流れるプールに飛び込むと、犬のように両手両足で地を掻きながら猛追してくる。


川;゚ -゚)「くそお!」


巨体の割には恐ろしく俊敏だ。

みるみるこちらとの距離が縮んでゆく。

 真後ろ、手が届こうかと言うところまで来ると、怪物は地を蹴って跳ねた。

空中で両拳を揃えて真上に掲げ、着地と同時に地面に叩きつける。

拳のハンマーだ。


川;゚ -゚)「うわっ!!」


コンクリートが砕けるバギンという激しい音がした。

紙一重で正面に向かって頭から飛び込んだクーは、その攻撃を何とか免れた。

さっきまで自分がいた場所に穴が穿たれ、破片が爆発のように飛び散る。

地面に伏せた姿勢のまま上半身だけ起こし、小さいクレーターを挟んで

怪物を見た。


(<●>q 。)「ああ」

川;゚ -゚)「ひっ!」


 とうとう追い詰められた。

両腕で自分の身を庇い、絶望的な抵抗を見せた時、プールの上から誰かが

怪物に飛びかかった。


(゚q 。 )「あ゛ー」

(゚q 。川「あ゛あ゛あ゛ー」


他のモンスターたちだ。

故意にクーを助けたわけではなく、ただ単に大きくて目立つ方に攻撃本能を

向けたのだろう。


(<●>q 。)「あ゛ー!!」


怪物が体に取り付いてくるモンスターを引っ剥がし、壁や床に叩きつける。

モンスターの体は果物のように潰れた。


川 ゚ -゚)(今のうちだ)


 相手が気を取られているうちに、恐怖に痺れた体に鞭打って立ち上がる。

流れるプールから這い上がってオブジェを目指した。

ここなら隠れるに十分な大きさがあるが……


川;゚ -゚)(でも、隠れてどうするんだ?

     あいつがわたしをすぐ諦めるなんて思えない)


 つま先が何か硬いものにぶつかり、カランという無機質な音を立てた。

足元に大小様々な鉄パイプが転がっている。

このウォーターパークを閉鎖する際、設備を撤去するのに使ったのだろうか。

一本、極めて鋭利な先端を持つのがあった。

何かの原因で折れたらしいが、それでも物干し竿の倍くらいの長さがある。


川;゚ -゚)(銃が効かない相手にこんなもの……でも、時間が稼げるかも)


 意を決し、それを両手でしっかり持って槍のように構える。

先端を怪物の方に向けて、クーは走り出した。


(<●>q 。)「あああー!!」


まとわりつくモンスターすべてを放り出した怪物が、クーの方に向き直る。


川 ゚ -゚)「あああああ!!」


彼女の姿を眼に捕らえた瞬間、口の中に鉄パイプの先端が突っ込まれた。

延髄を貫いて後頭部から切っ先が飛び出す。


(<●>q 。)「がふっ!!」


喉に蓋をされ、聞き飽きた唸り声のトーンがむせたような声に変わる。

怪物は苦痛に悶え、頭部を串刺しにされたままめちゃくちゃに暴れた。


川;゚ -゚)「うわっ!?」


 自分が持っていた鉄パイプから放り出され、クーは地面を転がった。

さしもの怪物もこれは流石に効果があったようで、パイプを引っこ抜こうと

苦心しながらその場でフラフラとステップを踏んでいる。


川 ゚ -゚)(今だ!)


流れるプールに再び飛び降り、パークの出口目指して走る。

いくらも行かないうちにパイプがへし折られ、それが地面に投げ捨てられる

甲高い音がした。


(<●>q 。)「あああ――!!」


怒号が後を追って来る。

 この怪物を殺す上で、もし頼みの綱があるとすれば……


川;゚ -゚)(ランチャーとかいうやつだ! 男たちがそんなことを言ってた筈)

 

 

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