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流れるプールへ飛び込んだクーはウォータースライダーを目指して走った。
薄闇の中にくねくねと曲がりくねったパイプの塊がそびえ立っている。
川;゚ -゚)(あそこまで逃げて、それから……それでどうすればいいんだ?!)
半ばパニックを起こしかけていて考えがまとまらない。
ただ生存本能にせっつかれて死に物狂いに足を動かしているだけだ。
(<●>q 。)「ああああ―――!! ああ――!!」
シャッターを糸みたいに引きちぎると、怪物は屋内プールに飛び込んできた。
すぐにクーを視界に捕らえる。
川;゚ -゚)(来た!!)
(<●>q 。)「あー」
獣のように両手両足で地を掻いて猛追してくる。
体のバランスが悪いせいで不格好な走り方だが、巨体の割に恐ろしく俊敏だ。
行きに通ったウォータースライダーの下でクーは流れるプールから
這い上がった。
パイプを支える金属の支柱が立ち並んでいるが、体を隠せるほどの太さがない。
川 ゚ -゚)(そうだ……!)
自重を支えるのがやっとで軋みを上げるその建造物の下で、クーは
あるアイデアを閃いた。
土壇場の策だがこれしかない。
怪物がクーを追ってプールから飛び出した。
川;゚ -゚)「来やがれ、バケモノ!」
(<●>q 。)「あー!!」
腰を落とし、サッカーのゴールキーパーのように身構える。
思った通り怪物はまっすぐに突っ込んできた。
全身全霊全神経を総動員してその攻撃を見切り、間一髪で横に身を
投げてかわす。
川 ゚ -゚)「ぐっ」
怪物は片腕を振りかざしたまま、頭から突っ込んだ。
クーが背後にしていたスライダーの支柱へと。
(<●>q 。)「あぶっ」
怪力に支柱が歪む。
囁くようだったフレームが軋む音が跳ねあがり、はっきりと知覚できるように
なった。
スライダーが頭上でゆらゆら揺れている。
川;゚ -゚)(あと一発で確実に折れる筈。だけどこのままじゃ巻き添えを食うな……)
背後の柱が折れれば確実にスライダーは倒壊するだろう。
しかし今の位置ではそれに巻き込まれかねない。
確実に奴を葬るにはここの方が都合がいいのだが……
川;゚ -゚)(ダメだ! 他の柱だと奴に逃げられるかも知れない)
確実に倒すならスライダーの中心であるこの柱を折らせるしかない。
命を賭けることになりそうだ。